私が思うBICホームページ

皆様、ご機嫌いかがでしょうか。角松でございます。
このたび、角松敏生オフィシャルファンクラブBICのホームページを開設する運びとなりました。
インターネットといえば、なじみの深い人もいれば、まったく知らない方もいら っしゃいます。そのため、いろいろなとらえかたをされると思いますので、ここに、その意図を明確にしておきたいと思います。

近年、コンピューター通信の発達は、ご存知のとおり、目をみはるものがありま す。それを、有効に利用されている、会社および、個人の方も年々増加しております。アーティストの中にも自己の活動、宣伝に積極的に活用している人も増えてきました。

元来、このコンピューター通信というものは人間と機械の相性もあり、必要性を理解されない方も多々いらっしゃいます。そして、近年ネットによる犯罪などの増加をみてもわかるとおり、けしてよい側面ばかりとは限りません。

しかし、国政的にもコンピューター通信を根付かせようという傾向にあり、あらゆる環境下の方々がそれを無視できなくなってくる方向性になってきました。今後も機械の簡略化などによって、誰もがそこに参加できるようになってくるでしょう。わかりやすく例えるならば、アナログからCDに全ての人が移行できたように……。

まあ、以上が私のコンピューター通信に関しての現状認識です。けれど、ホームページそのものや、e-mailなどにもなじみを感じていない人は、かなりいらっしゃいます。かく言う私も通信に関しては、ここ3,4年で、興味を持ったぐらいです。ただ、その中で、コンピューター通信の持つ、必要性と危険性のふたつを痛切に感じ始めたわけです。コンピューター通信は、相手の顔が見えないぶんどんな人でも、好きなことが、公の場で主張できるという魅力(匿名性の魅力)があるようです。そして、その中にある情報も、基本的には野放しの状態で、様々な錯綜があります。未確認の情報もまことしやかに流されてしまいます。モニター画面に映る情報は、人 の目になんとも魅惑的に映ります。

そこで、コンピューター通信を活用する人は、現実と仮想現実を確かに見極める資質が必要になってきますし、あらゆる立場、あらゆる境遇、あらゆる考えをもった世界中の人が見ているという認識にたった、エチケットがなければいけません。しかし、全ての人がそうであるとは限らないので、アーティストのように、情報が重要な活動の基礎になっている立場のものたちは、コンピューター通信上で、ここが大元ですよというベースをもうけなければいけなくなってきます。それが、オフィシャルホームページというものです。現在、多くのレコード会社、アーティスト及びそのファンクラブが、オフィシャルホームページを持っています。その他音楽情報関連で、公的なもの、あるいはそれ以外にも、個人でオフィシャルではない、私設のページを開設なさっている方々も多くいらっしゃいます。

元来、角松敏生というアーティストは、テレビにあまり出ないなど情報量の少ないアーティストなので、リスナーの方が独自のページをたちあげてくださっているケースが、多くみられます。
その完成度や、ファン同士のネットワークは業界内でも一目置かれているようでございますし、その一部を私自身実際に見て喜ばしくも思っています。これらは、オフィシャルの公認に対して、アンオフィシャル、非公認ページと言われているものです。その中の、ある老舗のページなどは、非常に良くできていて、実際私や、レコード会社も参考にしているほどです。それらのページには、それを開設なさっておられる方々の角松に対する深き思い入れを感じ、とても感謝しています。

もともと私は、ホームページとは、そういった非公認のもののほうにこそ醍醐味やおもしろさがあるので、自分のページをたちあげるのはあまり主義ではありませんでした。しかし、ここまで発達してきますと、情報の錯綜や、先に述べましたように、いろんな方が、ある種無制限に自分の思いをそのページに書き残していくので、それをまたいろいろな人が見て不確かな情報の流布やら誤解が生じてしまうことが起きています。その中で、特にファンクラブ宛の疑問やクレームを書かれてしまうことがあります。BICでは、電話などで最大限応対できるように努力しているのですが、それにもかかわらず、非公認の場で様々なことを述べられてしまうと、こちらの真意が伝わらないうちに公の場にそのような情報として、伝えられてしまいます。それを、これから私の音楽を聴こうとしてくださる、何も知らない初めての人が見たら、どう思うのでしょう……。

ここで、ひとつ明らかにしておきたいのは、BICはもとの所属事務所であったマーマレードさんがたちあげたものでした。その中には、営利目的以外にも様々な意味があったでしょうが、私にとってはファンとの大切な場でもありました。それが、私が凍結を決めた時に、活動もしないのに会費を取るのはおかしいのではと考えまして、その閉鎖を考え、会員全員にその是非を問いかけたところ、継続してほしいとの声が多く、その時の決裁としては会報のみの継続を決めたわけです。今となってはそのいきさつも知らない方もいるようです。

その後私は、マーマレードから独立することになってしまいました。本人不在のままファンクラブを続ける非常識はできません。私の凍結とともに会員数も半分以下に減ってしまいましたけれど、継続を続けてくれた方々のためのことを考えて私自身がBICを買い取りました。これを続けるか閉じるかは、やはり自分が決めなければと思ったからです。

そして、私はまた活動を再開しました。会員もまた増えつつあります。私がわかってもらいたいのは、BICとは私自身ということなのです。オペレートしているのは社員でも、 それに対するクレームは私自身に対してと同じことと受けとめています。アーティストをやりながらのマネージメントという道を選んでしまわざるおえなかったので、いま非常に辛いこともあります。

けれど、それをスタッフが支えてくれています。それなりによい場にしようと、私も、私のためにスタッフもがんばってくれているのに、コンピューター通信上だけで好きなことを述べられてしまうのが堪えられませんでした。私自身のことならまだよくても、BICはいろんな思いの方が参加してくださる場なので、これだけは正しい情報に基づいたコミュニケーションをとりたいと、考えたのです。そこで、現在急速に進歩しているコンピューター通信上にも参加しようと考えました。

しかし、誤解なさらないでください。BICの基本情報源は、会報であり電話における応答です。ずっと先に述べましたように、コンピューター通信ができない方はまだまだ多くいらっしゃいますし、嫌いな方もいます。ホームページの必要性は、そういったコンピューター通信上での誤解をなくすためのもので、会報であるとか、あるいは会報以上の情報を流すということはけしてありません。BICとはなんなのかという説明と、質問、クレーム等を受けつけ、そして、それにお答えするといった、通常BICが電話で行っていることと同じことを、コンピューター通信のできる方用に開設しているとお考えください。コンピューター通信をやられる方は、どんな通信手段よりもネット通信を大事にされる方が多いようですので。つまり、もっとわかりやすく言えば、インターネット上でBICの広告を出しているようなものです。

ですから、よくあるアーティストのホームページのようにおもしろい情報が満載なんてものではないです。こういうとインターネットをやられている方は、不満がられるかもしれませんが、私はまだまだコンピューター通信が受け入れられない方のことも考えてさしあげたいのです。そういったおもしろいページは、私設の方々におまかせしたいと、現時点では考えています。まあ、こんな機会にインターネットを始められる方もいるかもしれませんけれど。

長々と書きましたが、BICとインターネット、その他の私の思いをわかっていただけたでしょうか?
今年も、そしてこの先も休まずに走り続けます。BICともども見守っていただきたいと思います。
ありがとうございました。

角松敏生



>>BICの更なる発展…
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